ハリー・マクシム少佐シリーズ

「影の護衛」「マクシム少佐の指揮」「クロッカスの反乱」「砂漠の標的」このシリーズは1作目から順に読んだ方が人々がどんな人間なのかをじんわりとらえてゆくことができて面白いです。ストーリーだけでもとっても面白いと思いますが、キャラクター達が非常に魅力的。

最愛はハリー少佐です。

うまく言えない。わかりやすくないけど、すごくいいんだ!萌えーとか少佐にはふさわしくないなあ。ストイックな感じ。真面目な少年ぽい感じ。根っからの軍人。大好きなんです。ちょっと攻撃について行動的すぎますが。いや、いいんだよ。ハリー。

五條さんの「なんか私的なもののためにがんばる!て人ではなく、公のもののためにがんばる人の話が好き。むくわれないけどがんばっちゃう人が」というインタビューを読んだ時ピンとこなかったのですが、このハリー少佐シリーズを読んでるとほんのり分かる気がします。いや、恋人とか愛するもののためにがんばる人の話はよくあるけど、公ってなによ?て。でもハリーを好ましく思うのはきっと五條さんの言っているタイプの人だからかなと。

そゆひとは決して押し付けがましくなく、声高でもなく、でもなんか自分でもはっきり言わないけど公のために結局がんばっちゃうのですよ。結局ね。公の為にがんばるけど、彼は彼の大事なものはもちろんある。というかがんばることが彼の損にはなるけどもくもくと考えてそれがベストだと思うからやっちゃうわけです。まー彼が軍人(歩兵系)てのが大きいのですが。

アグネス・アルガ―は、私が今まで見た小説(特に海外小説)においてダントツで一番魅力的な「イイ女」だと思いました。ウィットに富んだ会話を繰り広げてくれます。「影の護衛」の最後でびっくりした。海外小説の女性は大抵あんまり好きじゃない。ハーレクイン調のに良くあたるからかもしれないけど。

「影の護衛」は五條先生と全く同じハリーのセリフで萌えました。軍人に銃を向けるな・・ってやつ。

はらはらどきどき度は「クロッカス」が一番でしたが最後まで読んではふーっとなったのは「砂漠の標的」でした。砂漠の標的では、ハリーといつもの仲間と(つってもアグネスとジョージしかいないが)最後まで別行動です。中盤まではそれがつまらなかったのですが、いやいや後半の展開は思わず引き込まれるほど面白かったです。