私でない私@サンドラ・ブラウン

私でない私 (新潮文庫)

私でない私 (新潮文庫)

飛行機事故で生き残った女記者エイブリーが、大統領候補の妻キャロルと間違えられ、声も出せない間に損傷した顔を整形で「もとの美しい顔」に治されてしまう。その合間に「夫」である大統領候補殺害の計画があるのを知ってしまう。若き大統領候補とその幼い子供を好きになってしまってそれを阻止すべく奮闘する彼女。ところがつぎつぎに困難がふりかかる。

川原教授おすすめ(恋愛ものはあんま読まん。といった教授に編集者がなお、すがって聞き出したお薦め小説)なので、読もう読もうと思っていたら五條瑛さんのインタビューにも登場した。早速読んだ。

面白かったです。当時の大ヒットエンタテイメント小説だったようだ。べったべたなところもあるけど、それもまたよしってことで。ハーレクインを小匙1ぐらい含む。恋愛中心ですが、きっとそれだけじゃなかったので川原教授も好きだったのではと思った。

キャロル(先妻)があまりに性悪で夫(若き大統領候補。良い男)を決定的にうらぎりつづけていたので、エイブリー(新妻)はその信用をとりもどすため、一生懸命彼を助けます。そうしていくなか、キャロルを嫌っていた家族のなかにエイブリーを見直す人が少しでてきます。と、そんなところがあるのが痛快でした。

ファンシーの件は、「いや、そんな簡単に・・」てのもあるけど痛快だったので、いいです。うん。あれで。キャロルが散々に破壊した跡をエイブリーが直してゆくのです。同時に陰謀も進行してるので、人の反応は様々なんだけど。テートはなかなかおちません。いいところで邪魔が入ったり嘘がばれたりして手ひどく怒られたりとエイブリーは大変です。

メインは波乱万丈エンタテイメント恋愛&ミステリ小説なんですが。面白かったので、機会があればおすすめ。