利腕@ディック・フランシス

最後の最後まで面白かったです!ぐー!!「度胸」も面白いと思ったけれど、「大穴」「辣腕」はさらにぐーーんと面白い!私の感想はミーハーですが、真面目に解説書かれてる方もきっとすごく作品を褒めてるはずです。よいですね。ディック・フランシス。ファンです。高齢てのが、信じられない。もう手紙以外の文章は書かないと宣言していらっしゃいますが、いつまでも元気でいてほしいのう。

「大穴」に続く、シッド・ハレーシリーズの2冊目。同じ主人公を使わないディック・フランシスの唯一の同じ主人公もの。

今度のシッドは大変です。詐欺にひっかかって起訴されそうな元妻を助ける仕事と、競馬保安部内の不正の調査と、そして、本命馬が次々と肝心のレースでビリになりだめになっていくという謎を解かなきゃいけないのでした。シッドはほんとにそのストイックさが嫌味じゃなくてかっこいい。好感をもちます。損してると思うんだけど、シッドのような主人公は好きです。あれだ!ハリー・マクシム少佐にときめくのと少し似てる。でもハリーはかわいいけど、シッドはかわいいとは違いますね。

馬に乗ってるときの夢をみている出だしとかすごく切ないなー。生きるのはまた別だって。1作目で立ち直ってはいるんだけど、でも痛くないわけじゃないのです。

ミステリーとして、冒険小説として、すごーく面白い1冊でした。特に痛快なのはね、占い師のくだりとその後の気球関係です。笑ったよ!いいよ!あれ!そんじょそこらの小説じゃ「ありえへん!」とつっこんでたけど、あれだけ見事に面白くもってかれるとOKです。すてきー。シッドは探偵屋に向いてると思うけど、狂人の助手もかなりいいと思います。