スミレ17歳!!@永吉たける

スミレ 17歳!!(1) (講談社コミックス)

スミレ 17歳!!(1) (講談社コミックス)

「ちょっ・・誰がオヤジよ!超ムカツク!! 私はスミレ!!17歳の高校生よ!!」

ある日、電車で隣のサラリーマンが読んでいる雑誌をふとのぞき見たら、なんだかすごいの載ってた。非常に短い時間の覗き見だったのになんだかいい話っぽくて心に残りました。

それがこれ「スミレ17歳!!」。数週間後にネットであらすじみた瞬間に、あの時電車で垣間見た漫画だとわかりました。スミレちゃん、超かわいいよ。転校生のスミレちゃんはとてもかわいい女子高生なんだけど、あれ・・後ろに黒服の親父が・・。なんだか関節がカクカクしてるし、なんだろう、そのあごの線。

そんなスミレちゃんは親父があやつる等身大の腹話術人形です。高校に転向してきたばかりの女子高生(ええええ)。でも私ちゃんとスミレちゃんが大好きです。心根の良い子でみているうちにほんわかします。

いついかなるときも「スミレ」であることを忘れない親父もけっこうやるなと思います。スミレちゃん超かわいいけど、全部あのおやじかよ・・・。でもかわいい!いい子だ!スミレちゃんがところてんを食えなくてびちゃびちゃこぼしてるとことか、体育のときにがっちゃがっちゃいってるところとかも好きです。どんなにぜーはーいってても「水のめよ!」と言われてスミレに飲ますオヤジも。

臨死!!江古田ちゃん@瀧波ユカリ

臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)

臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)

自宅では全裸。そんな全裸生活を営む24歳の江古田ちゃんの日々。「猛禽」の典拠はこの漫画です。

おおふりのためにアフタヌーンを読んでいたらいつしか必ず読んでいる江古田ちゃん。お年頃の女として「だめだ・・これで笑ってちゃだめだろ」「ていうか笑ってる場合じゃないよ」と思っているのに、アフタヌーンに2箇所に分かれて掲載されている江古田ちゃんわざわざ探して読んでたよ。

我慢してたけどやっぱり本かってしまったよ。これでわらっちゃうラインはどこまでなのかが気になります。でも笑うよな。

本命テーマ(?)と違う点では、江古田ちゃんの友人Mとの本気のなれあい(男がひいてるぐらい険悪)にはなんとなく心がなごみます。

女王陛下の騎手@ディック・フランシス

私が一番好きな伝記。伝記っていうか面白いから。イギリス競馬の騎手として最上階にまで登りつめ、その後は売れっ子小説家として常に水準以上の小説を世に送り続けたディック・フランシス自身の伝記。

イギリスの障害競馬見てみたいなあと思いました。彼の、馬に乗ることや、レースすることに対しての大好きっぷりがとてもいいなあと思いました。もちろん、あのウィットにとんだ文章が面白くてにんまりなんですが。こんなにすごく面白い素晴らしいミステリー作家が競馬の世界のチャンピオンだったというのにびっくりです。(ジョッキーの彼を知っていた人は逆なんだろうけど)。この本は、彼の作品を数作読んでからのほうが、馬や騎手生活の記述のくだりとかでにんまりできてお得です。

一目ぼれの彼女との結婚を1週間後に控え、アマチュア騎手の中位に上がり、優秀な馬に乗ってレースにでることになったフランシス。「私は人々をあっと言わせるような成績でシーズンの終わりを飾りたいと念願していた。そしてそのとおりになった。」レース中に競馬場をとび出て、川に飛び込み、力強く泳ぐ彼の馬。鎖骨骨折で雨に打たれる彼。気の毒なのに、笑ったよ。なんというか(自分のことだけど)皮肉っぽく述べてるのも私は好きなんだなあ。

クールかつ馬大好きかつ人生面白くかつ皮肉なユーモアに溢れた彼の言い方がすきだなあと思います。原文(翻訳でいいから)読まないと面白さがつたわらないけど。いろいろある。

「私たちは空中で袂を分かってそれきりであった」※各種の有名な馬について述べている章の中である名馬について

絶対に障害(堀)を飛んでくれない馬に乗ってグランドナショナル(イギリス最高の障害レース。最も有名で権威あるレースだが最後まで完走できる馬の方が少ないハードなレースしても有名)に出ることになった彼とか。

馬は出口から最もとおい場所で転倒する法則とか。しかも、足引きずって歩かなかったら救急車が目前でUターンしてかえってしまったとか。

1日に3度も落馬し、規則上医務室で医者のOKをもらわなくてはいけないので、3度いったらとうとう看護婦に「ねえ。ここで待ってたら?そしたら次、馬場からここまで歩いてくるのを短縮できるわよ」と言われた話とか。

飛行機の免許を奥様(つい先ごろになくなられて、ディック・フランシスはもう手紙以外の文章はかかないと宣言されています。愛妻でありずっと大事な相棒であったそうだからなあ。)がとる話も好きです。

いろいろ面白いんです。でもすごく尊敬した。すごい。こんな面白い話をかける上に、こんな騎手だったのかー。はー。

利腕@ディック・フランシス

最後の最後まで面白かったです!ぐー!!「度胸」も面白いと思ったけれど、「大穴」「辣腕」はさらにぐーーんと面白い!私の感想はミーハーですが、真面目に解説書かれてる方もきっとすごく作品を褒めてるはずです。よいですね。ディック・フランシス。ファンです。高齢てのが、信じられない。もう手紙以外の文章は書かないと宣言していらっしゃいますが、いつまでも元気でいてほしいのう。

「大穴」に続く、シッド・ハレーシリーズの2冊目。同じ主人公を使わないディック・フランシスの唯一の同じ主人公もの。

今度のシッドは大変です。詐欺にひっかかって起訴されそうな元妻を助ける仕事と、競馬保安部内の不正の調査と、そして、本命馬が次々と肝心のレースでビリになりだめになっていくという謎を解かなきゃいけないのでした。シッドはほんとにそのストイックさが嫌味じゃなくてかっこいい。好感をもちます。損してると思うんだけど、シッドのような主人公は好きです。あれだ!ハリー・マクシム少佐にときめくのと少し似てる。でもハリーはかわいいけど、シッドはかわいいとは違いますね。

馬に乗ってるときの夢をみている出だしとかすごく切ないなー。生きるのはまた別だって。1作目で立ち直ってはいるんだけど、でも痛くないわけじゃないのです。

ミステリーとして、冒険小説として、すごーく面白い1冊でした。特に痛快なのはね、占い師のくだりとその後の気球関係です。笑ったよ!いいよ!あれ!そんじょそこらの小説じゃ「ありえへん!」とつっこんでたけど、あれだけ見事に面白くもってかれるとOKです。すてきー。シッドは探偵屋に向いてると思うけど、狂人の助手もかなりいいと思います。

敵手@ディック・フランシス

シッド・ハレーシリーズは最高だと思った。「大穴」にはあっと言わされ、「利腕」は盛りだくさんにハラハラどきどきし、この「敵手」は、、切ないぜ。

チコがでてこないのはすごく悲しい。シッドも「チコがいたら、チコがいたら」と何度も言うのでなおさらです。

最後に驚くのはディック・フランシス作品の常だけど「敵手」にもやられました。そう来るとは思っていなかったよー。

シッドはアイドルです。私も大好き。皆も大好き。

3冊目にしてやっとあのシッドの元妻と和解しました。険悪だったもんなー。シッドのために、雌虎のように反撃ってすごいなあ・・でもうれしかった。でも彼女は今回で株あがったかなあ。でも一方でシッドはずっと(彼女のことが)好きだったので、かえってすっぱり彼女がシッドを振り切った(からこそ和解できた)ということなので、悲しい気もするけど。

切ない面もありますが、私はこの「敵手」に大満足でっす。

試走@ディック・フランシス

視力が悪いために騎手資格を剥奪された元騎手が、王子の(強引な)依頼を受けて、王子の義弟に関する疑惑を明らかにするためモスクワに飛ぶ!という話。脚色してないよ。私は日本人なので、人々が「王子が、」「王子が・・」というだけで無用にときめきました。いや王子は基本的に脇役で最初と最後しかでないんですが、しっかりしててごつい男前なんですよ。ぼんぼんじゃないところがちょっと素敵で主人公相手に、にやり。とするところも素敵でした。強引な王子です。

彼の作品では、いつもセリフに「くくっ」と笑ってしまいます。皮肉ぽいユーモアに満ちた各種のセリフや言い回しが好きです。好きなのを書き出そうとしたけど原作が手元になくて残念です。王子の義弟が気絶させられて車にのったまま主人公の停車中の車に激突した瞬間に主人公が「私の車!!!」。私は恥ずべき優先順位を口走った。とか。